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ISO20022とは何ぞや?(外国送金編)

笹木
開発一部第4課

開発1部第4課の笹木です。
これまで金融分野(銀行、信用金庫、損保会社系)を中心に様々なプロジェクトに携わらせて頂いておりますが、現在最も注目されているISO20022(外国送金)について触れてみたいと思います。

ISO20022とは?

ISO20022は金融通信メッセージの標準化を目指すために、ISOが定める国際規格を指します。
具体的には、これまで連携対象となった関連項目を固定長で定義し、「MT方式」で金融通信メッセージをSWIFT(※)を経由して世界各国間でやり取りしていましたが、これに代わって「XML形式」で金融通信メッセージのやり取りを行う形に変更されます。
(※)SWIFT:国際銀行間通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunicationの略でベルギーに本部を置く非営利組織です。)

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現行システムの問題点は?

外国送金には仕向/被仕向送金があります。
世界各国毎にフォーマットが異なるため、送金のやり取りをする際にフォーマット変換が行われ、またフリーフォーマットでかつ古いため、名前、住所などの情報のチェックも機能せず、増加する送金情報への対応が複雑化し、業務効率化の妨げになっていました。

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ISO20022の特徴およびメリット

可変長で柔軟に金融通信メッセージの送付が可能になることにより、各金融機関がコストを削減し、リスクにさらされる可能性を抑えながらトランザクションの効率化を向上させることが可能といわれており、以下のメリットが想定されます。

  • ビジネスプロセス通信用の共通言語が出来ます。
  • フォーマットが統一されることで大量の送金データを迅速・正確にシステム処理が可能となり、コンプライアンス対応の向上が見込まれます。
  • 他のプロトコルとの運用性が相互間で向上します。
     ➡ 海外送金だけではなく、国内取引(各金融機関 - 日銀間のやり取り等)についてもISO20022移行が行われています。
  • アルファベット以外の非ラテン文字(日本語ETC)についてもサポートが行われるようになります。
  • 送金に関する項目や文字数も拡充されます。
     ➡AML(アンチ・マネーロンダリング)の規制、反社会的勢力の強化や被仕向の入金送金失敗(口座不明等)などの減少が見込まれます。

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最後に

先述の通り、外国送金について触れてみました。ISO20022についてデメリットがないかと言えば、それはNoであると考えます。少なからず、項目の構造化といった対処の検討も必要になると推測しますが、絶対やらないという選択肢はないと思いますので、デメリットは深く考えないようにした方がいいですね。最近のニュースでも円高/円安、金利など為替に関する様々な動きの背景や理由が語られています。為替相場を動かす要素は政治・経済や国際関係まで様々なのでこの辺の情報もしっかり注視しないといけませんね。